『4人に1人「平均」分からず=ゆとり世代大学生』
最近、『4人に1人「平均」分からず=ゆとり世代大学生』
というニュースをネットで見ました。
そのニュースを見た人達は
「20年近く何を学んできたのか?」や
「アホを入学させる大学側に問題がある」とか
好き勝手に書き込みをしていましたが、
平均を理解できないとはどういうことでしょうか?
平均の計算をすることができないのでしょうか?
それとも、平均の意味を正しく理解していないのでしょうか?
そこのところを詳しく調べてみました。
◆疑問1、誰が何のためにこの調査したのだろうか?
調べてみると、日本数学会という社団法人が
ゆとり世代と言われる大学生の学力を調べるために、
国公私立48大学の1年生を中心とした5934人を対象に
「大学生数学基本調査」を行ったらしい。
対象となった大学には東京大など最難関国立大から
偏差値50以下の私立大が含まれている。
◆疑問2、どんな問題だったのだろうか?
以下にテストの問題を原文のまま載せます。
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ある中学校の三年生の生徒100人の身長を測り、
その平均を計算すると163.5cmになりました。
その結果から確実に正しいと言えることには○を、
そうでないものには×を、記入してください。
(1)身長が163.5cmよりも高い生徒と低い生徒は、
それぞれ50人ずついる。
(2)100人の生徒全員の身長をたすと、
163.5cm×100=16350cmになる。
(3)身長を10cmごとに「130cm以上で140cm未満の生徒」
「140cm以上で150cm未満の生徒」…というように
区分けすると、「160cm以上で170cm未満の生徒」が最も多い。
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正解はこの文章の一番下に載せておくので、
暇なら考えてみてください。
この平均の問題では全問正解の時のみ正解とみなされ、
正解したのは76%(約4人に1人)です。
個別の問題に対しての正答率は発表されていませんでした。
ここで私が気になったのは(3)の問題です。
もし、この問題のみの正答率が76%であっても私は何の不思議も感じません。
自分の周りの人間を想定しても4人に1人くらいはこの問題を間違えると思うからです。
常識的に考えて、身長というのは平均に近い値の人が最も多く、平均から遠い人が多くなることはあり得ないので答えを「○」にした生徒が多かった、と私は推測します。
これが身長の平均ではなくテストの点数の平均だった場合、全体の正答率はもう少し上がったと思いますが
敢えて身長を題材に選んでいるところから、
正答率を下げようとするテスト製作者の意図を私は感じました。
最後に私から皆さんに一つ問題を出します。
正しいと思えば○を、そうでないと思えば×を記入してください。
問題
上記の問題で、4人に1人が平均を理解できなかったのは、
彼らがゆとり世代であることが原因であって、
他の人達がこの問題に答えると、正答率が飛躍的に上がる。
ちなみに正解などありません。
皆さん一人ひとりが自分の頭で考えて、自分なりの答えを見つけてください。
頭の悪いニュースに騙されないために。
『問題の答え』
(1)は×、(2)は○、(3)は×です。